塵壺も 法の器よ 教薬吐く 薬師如来の掌の上
照滴046
本文
塵壺も 法の器よ 教薬吐く 薬師如来の掌の上
形式
#短歌
カテゴリ
#1.仏法・教義
ラベル
#仏 #菩薩
キーワード
#塵壺 #法の器 #教薬 #薬師如来 #掌 #法 #教義
要点
日常の物でも仏法を入れる器となり得ることを表現。
現代語訳
塵を入れる壺でさえ法の器であり、教えの薬を吐き出す。薬師如来の掌の上にある薬壺なのだ。
注釈
塵壺:塵やゴミを捨てる器。穢れたもの、取るに足らないものの象徴。
法の器: 仏の教え(法)を受け入れることができる尊い器。
教薬:仏法の教えを薬に例える
薬師如来:病や苦悩を癒す仏
解説
日常のつまらない物も仏法の視点からは法を入れる聖なる器となる。薬師如来の掌の比喩で、教えがあらゆるものに浸透する様を描く。
深掘り_嵯峨
穢れと清浄の不二(区別がないこと)を説いた、非常に深い仏教的な歌です。
仏教では、「塵」や「煩悩」こそが悟りの種(煩悩即菩提)とされます。この歌は、「塵壺」という最も取るに足らず、穢れたものでさえ、「法の器」として仏の教えを受け入れ、薬師如来という大いなる慈悲の「掌の上」にあるという普遍的な慈悲を表現しています。全ての存在を肯定する、密教的な世界観が示されています。